「捜査権なく限界」 四日市市BSE調査委
平成19年10月10日 中日新聞 「こめかみ」など牛海綿状脳症(BSE)対策特別措置法で特定危険部位とされる牛の頭部の肉が四日市市食肉センターから持ち出されていた疑惑について九日、「
有無を明確に把握できなかった」とする報告書を公表した市の調査委員会。宮田昌一副市長ら市側は「
チェック態勢が不十分だった」と陳謝しながらも「市に捜査権はなく調査には限界がある」などと釈明した。持ち出された特定危険部位が消費者に流通したかなど市の所管以外の問題については、食品衛生法上の権限を持つ県など関係機関の判断に委ねる考えを示した。
調査委は八月二十九日以降、同センターに勤務する市職員や運営主体の県四日市畜産公社の役職員、食肉関係業者ら計五十七人に任意で聞き取りを実施した。
持ち出しの有無について、報告書では食肉業者の目撃証言に加え、「焼却した頭部のなかに、ツルツルの骨状態でこめかみ肉を切り取った跡と考えられる頭部を見たことがある」とする証言が複数あったことも盛り込まれた。
原田徹・市総務部長ら四人の調査委員は会見で
「(持ち出されていたという)心証はある」などとしながらも、解体処理後の頭部がすでに焼却処分されているなど
物証がないことなどを理由に「特定はできなかった」と述べるにとどまった。
調査委は同日、この報告書を井上哲夫市長と県に提出した。県薬務食品室は「
持ち出しがはっきりしない以上、(追加調査は)今のところ考えていない。もどかしいが、食品衛生法で犯人捜しはできない」として、県としての追加調査には慎重な見解を示した。
食肉センターの開設者としての四日市市への対応について、同室は「このようなことが二度と起きないように求める」とし「と畜法上で問題があれば市への処分や指導を考えたい」としている。
◆情報提供者「納得いかない」 こめかみ部分の肉がセンターから持ち出され、四日市市内の焼き肉店で売られていたと県に情報提供した食肉関係者の一人は、調査委員会の報告について「
こめかみの持ち出しがあったかどうかを詰めておらず納得がいかない」と話す。「今後、科学的な鑑定や、きちんとしたチェック体制の整備を行うよう、県や国にも申し入れていきたい」とした。
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